問題文にはつっこみを入れよう!

こんにちは。

土曜日のスタッフブログ担当の大場です。

今週は少し勉強から離れて、授業中の雑談についてお話したいと思います。

先日算数の授業をしている時に、こんな一幕がありました。

 

「問題:私には2才年上の兄がいます。現在、父と兄と私の年令の和は48才で、4年後には、父の年令が兄と私の年令の和の2倍になります。……現在、私は何才ですか。」

 

この問題に取り組んだ男の子は、比を使ってあれこれ考え、しっかり答えを出せました。

答えは5才。正解です!

そこで彼がぽつりと一言。

 

「でも先生、こんな言葉遣いの5才って怖いですよね。」

 

……確かに!

「私」をこの問題文を書いている当人だととらえると、まだ小学校にもあがっていないような5才児がこの文を語っているという事になります。

「父」、「兄」ときちんと自分の身内については謙譲語を使い、「和」なんていう数学用語を駆使し、現在と4年後という時間の概念を理解している5才児。

考えてみると怖いですよね!

 

「問題文は主観的な(つまり問題文の書き手自身から見た)書き方ではなく、客観的な書き方をしているものだ(つまりここでいう「私」とは書き手が自身を呼ぶ一人称ではなく、客観的にこの5才児を呼ぶ二人称としての役割)という通念にとらわれていた私にとっては、彼のその発想は斬新なものでした。

 

その発想を受けて、まだほんの小さな子が、さっきの問題文を真面目な顔をして読み上げ、問いかけてくるイメージが鮮烈に脳裏に浮かびあがりました。

みなさんもそのつもりで先ほどの問題文をもう一度読んでみて下さい。


「問題:私には2才年上の兄がいます。現在、父と兄と私の年令の和は48才で、4年後には、父の年令が兄と私の年令の和の2倍になります。……現在、私は何才ですか。」

 

5才児がこの文を語るイメージが思い浮かびましたか?

なんだかズレていてちょっと面白くないですか?

 

「確かにそうだね!ちょっと怖いよね。」

と言って例の彼とはひと盛り上がりしました。

 

多くの生徒たちはこういった問題文へのつっこみが大好きです。

 

他にも、

「一郎くんは分速60mで、お兄さんは分速75mで……」

なんていう問題に、

「普通お兄さんが一郎くんでその次が次郎、三郎じゃん!」

とつっこんだり。

(これも確かに。絶対に一郎くんが長男だということはないですが、問題のパターン的に出題者のミスのような気がします。)

 

こういうつっこみは、問題を考えるという本来の目的とは離れたものですが、私はあえてそれにのっかって、よりイメージを膨らませる方向に仕向けます。

例:「実は一郎くんのお家は複雑な家庭で、途中でお兄さんができたのかもよ」など…。

(あまりいい例ではありませんが。)

あるいは、それに関連した雑談を挟んだりします。

例:一郎、次郎という名づけから派生して山本五十六の逸話など…。

 

そうする事によって、単なる問題文の中のコマでしかなかった彼らに、色がつき肉がつき、生徒たちの中でよりインパクトを残せるのです。

そういった具体的なイメージが描けると、そこの見直しをする時なんかに

「あ、そういえばこの問題は先生とこんな話をしながらやったな。」

とそのイメージを思い出す事によって、そのイメージと結びついていた問題の解き方や内容も一緒に思い出しやすくなります。

さっきの真面目な顔の5才児が、解き方を思い出す手助けをしてくれるのです。

もちろん雑談ばかりではいい授業にはなりませんが、こうやって何らかのイメージと関連付けた記憶というのは、そのイメージに引きずられて思い出しやすく、定着しやすくなります。

 

という事でみなさんも問題を解く際には、ぜひバシバシつっこみをいれてみて下さい!

難しそうな顔をして君たちを試そうと構えていた問題ひとつひとつが、どこかずっこけていて面白味のある、心強い味方になりますよ!


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